入院のための病床は、医療法と診療報酬点数表で5種類に区分され、規定されています。
療養病床: 長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床
精神病床: 精神疾患を有する者を入院させるための病床
感染症病床: 新感染症の患者を入院させるための病床
結核病床: 結核の患者を入院させるための病床
一般病床: 上記以外の病床

診療報酬点数表では、さらに「入院基本料」「特定入院料」の2種類に分けて設定しています。
病院のベッドは1日あたりの単価が入院料として診療報酬で定められています。
入院料は、ベッドの種類や目的によって単価が違い、この単価は患者の重症度によって決まってきます。
重症の患者ほど、医療資源としての人的リソース、物的リソースを多く必要とするため、各々のコストを積み重ねていくと高額になってしまうのです。
病院のベッドの費用は通常、患者の重症度に比例し、重症であればあるほど費用は高くなっていきます。

例えば、高度な設備や通常の病床より多い人員を配置する必要があるICUなどの超急性期病床の場合、入院費の算定根拠となる保険点数も高く設定されているほか、様々な加算があります。
ICUでは、看護師の人員配置が一般病棟の倍であったり、人工呼吸器や常時患者を監視できる生体モニタなど高度な機器が多数装備されています。
これらの機器は1台数百万円もする高価なものであるため、機器にかけた経費を償却するためには、ベッドにの費用も高くせざるをえないことになります。

このようにICUは維持にも高額な経費がかかる上に、入院日数の経過とともに保険点数が下がるため、患者の回復によって保険点数の高い医療行為が必要なくなった場合は、速やかに維持経費が安い一般病床に移るように治療計画をたてる必要があります。