国民医療費の現状

【国民医療費】
国民が医療サービスを受けるために支出した金額の年度ごとの総額のことをいいます。
1970年頃から急激に増加してきて、2010年度は36兆円を超える額になっています。
ここ数年、医療制度改革などにより増加の勢いはある程度抑えられてはいますが、団塊の世代の高齢化が進むにつれ、再び急増傾向に転じる懸念があります。

【国民医療費増加の人的原因】
高齢者の医療費は若い世代の数倍かかるといわれており、高齢化が進んだことがまず第一の原因といえます。
そして、働きざかりの現役世代にも生活習慣病が増加したことも原因です。
他には、以前には助けられなかった人が、医療の進歩によって、医療サービスの提供を受けながら長く生存できる例が増えたことも一因となっています。
そのこと自体はたいへん喜ばしいことなのですが、国民医療費の増加という観点から見た場合には原因のひとつとなっています。

【国民医療費増加の制度的原因】
日本の診療報酬は点数制の出来高払い方式になっています。
それぞれの医療行為にあてられた点数を積み上げていくことによって報酬が決まるため、点数を増やそうとすることが過剰な医療の提供につながっているとの指摘があります。

民間保険の利用

国民医療費の増加によって、医療制度における健康保険の台所事情はたいへん厳しいものとなっています。
「公平で適切な医療の提供」などの名目で医療制度の改正が行われますが、医療費抑制が根本的な目的なので、無駄を省くだけでなく、必要な部分まで削られてしまう可能性は多分にあります。

また、医療の目覚ましい進歩に医療制度がついていけないために、必要とする人が経済的な理由で適切な医療を受けられないケースも多くなってきています。

健康保険の不足は民間医療保険で賄う

医療制度に頼るだけでは、健康な生活を維持したり、万が一び病気から健康を取り戻すことが難しい場合もあるということを考える必要があります。

病気に備えるということが大切だとはわかっていても、なかなか腰をあげる気になれないという人は多いと思います。
まだかかってもいない病気に備えることによって、日々の生活で何かが変わるわけでないというのも理由の一つでしょう。

ただ、いったん病気になれば、その病気に高額の治療費がかかる場合など、確実に後悔することになるに違いありません。

まずは、現在加入している保険の確認を

終身生命保険に加入している人は、主契約である終身保険に特約という形で医療保険が附属していると思います。
その医療保険特約の保障内容が充分なものであるかどうかも確認しておく必要があります。

何かきっかけがあるなどして、医療保険について少しでも気になった時が検討するタイミングです。