<先発医薬品>
新薬の開発には10年以上の歳月と数100億円という多額の費用がかかります。
そのように開発された新薬については、開発した製薬会社が10~15年の間、独占的に製造し、販売することができます。
<ジェネリック医薬品(後発医薬品)>
ジェネリック医薬品は、特許権がなくなった先発医薬品を、それを開発した製薬メーカー以外のメーカーが製造・販売するもので、研究開発費がほとんどかからないため、価格を安くすることができます。
基本的に先発医薬品と同じ効能を持っていますが、価格は先発医薬品の2割から8割程度となります。
ジェネリック医薬品の普及は医療費の抑制につながるため、調剤報酬でも調剤料の加算などの優遇措置がとられています。
ただ、2011年度におけるジェネリック医薬品のシェアは、数量ベースで約23%、金額ベースでは10%に満たない数値になっており、他の先進国に比べて著しく低い状況になっています。
この原因としては、日本の医師は長年使いなれた先発薬品に対する信頼度が高いのに加えて、後発薬品に対する根強い不信感があるからであると思われます。
ジェネリック医薬品は、特許が切れた時に成分は公開しますが、製造方法を公開するわけではないため、厳密には先発薬品と全く同じものであるとは限りません。
また、使用される添加物等が異なることもあり、それが薬の効能に影響がある可能性も否定できない、などの理由でジェネリック医薬品に懐疑的な医師が少なくないという事情があります。
<ジェネリック医薬品の普及の促進>
厚生労働省は、ジェネリック医薬品の普及を促進するために、2008年度から処方箋の様式を、ジェネリック医薬品への変更を認める場合に「ジェネリック医薬品への変更可」に署名する形から、変更を認めない場合に限って「変更不可」に署名する形に変更しました。