現行の医療保険制度には、保険料という観点から見るだけでも様々な不公平感がありますが、その原因となっている事項をあげてみます。

1.保険料設定方法が統一されてない被用者保険と国民健康保険の制度が独自の設定を設けていることによって様々な問題が生じています。
被用者保険の加入者の場合、保険料は、所得に応じた金額のうち事業所が半額を負担するために保険料がかなり軽減されています。 
これに対して、市区町村が運営する地域保険の加入者の場合、保険料は、所得と世帯の人数に応じる金額で、被用者保険の加入者のような保険料の軽減がないため、家族人数が多くなれば、それだけ重い保険料負担となります。 

2.疾病リスクに基づいた保険料の設定でない
各人の疾病リスクに基づいた保険料の設定ではないため、疾病リスクの低い人にとっては、保険料負担が重く感じられます。

3.保険料の上限の存在
国民健康保険、被用者保険ともに保険料は所得に応じて決まりますが、支払う保険料には上限があります。
高額所得者になればなるほど保険料負担が軽くなるということが不公平感を生んでいます。