医療機関は、指定された基準を満たせば、自らの意思で、包括払い方式(DPC)を採用することができます。
厚生労働省は、医療費抑制のために、多くの医療機関における包括払い方式(DPC)の導入を提唱し、推進しています。
包括払い方式(DPC)においては、包括部分については報酬が定額なので、治療が長引けば長引くほどコスト増になり、医師は利益を出すため無駄な医療行為を減らし、できるだけ短期間で治療しようとします。
このことによって、患者、医療機関、行政の3者ともにメリットがあります。
<患者のメリット>
1.治療期間が短くなり、支払う医療費も安くなる。
2.過剰検査、過剰投薬などの問題が起きなくなる。
ある病気を治療するのに必要な一連の医療行為が包括されるので、患者の立場からすれば、その病気を治すのに必要最小限の費用で医療を受けることができます。
<医療機関のメリット>
1.医療費情報が標準化されるので、医療の質を評価しやすくなる。
2.医療の質をあげて効率的な治療をすれば、出来高払い方式よりも収益性が高まる。
ある病気を治療するのに必要な一連の医療行為が包括されるので、もっとも効率的な医療を提供すれば収益も上がることになります。
<行政のメリット>
治療内容や治療成績のデータが公開されることによって、医療サービスが標準化され、増加傾向にある医療費の削減が期待できる。
政府がDPCを推進するのは、なんといっても医療費の削減につながることを期待しているからだと思われます。