公費負担医療制度は、特定の病気を対象に医療費の線部または一部を、国または都道府県が公費で負担する制度です。
一部を公費で負担する場合、医療保険が優先した上で自己負担分を公費で負担する場合などもあり、その仕組みは複雑なものになっています。
公費負担医療制度は、その目的によって公衆衛生関係と社会福祉関係に分類されます。

公衆衛生関係の公費負担

公費負担医療制度において負担する公衆衛生関係の費用には次のようなものがあります。
1.結核の治療に必要な費用。
2.精神障害者の医療・保護・社会復帰の促進、自立と社会経済活動への参加促進などを目的とした入院医療費。
3.ペスト、エボラ出血熱などの1類感染症、ジフテリアなどの2類感染症、または新しい感染症に感染した人の入院治療費。
4.性病にかかる治療費。
5.母体の健康を守るため、経済的な理由以外の人工妊娠中絶にかかる費用。
6.公害の認定患者への、療養費、損害補償費、遺族保障金一時金、自動保障手当、療養手当、治療手当、葬祭料等の給付。

社会福祉関係の公費負担

公費負担医療制度において負担する社会福祉関係の費用には次のようなものがあります。
1.生活保護を受けている人の医療費。
2.乳幼児の健康保持のため、保健指導、健康審査、未熟児の入院医療費などの費用。
3.国と地道府県が指定した特定疾患の場合の一部負担金。
4.精神通院療法および身体障害者を対象とする更生医療と育成医療の費用。